木と山の物語

2005年09月28日

先日、和瓦屋根の葺き替え(コロナ屋根材に)工事を行った事を報告したが、築50数年の屋根下地には「杉皮」が使われていた。 驚いたことにこの杉皮は、瓦の下で50数年経った今でも腐朽・虫害の痕は見られず、瓦材と同じく耐久性の凄さを感じた。

 

杉皮屋根下地現在のように屋根下防水紙にアスファルトルーフィングが使用される以前は、こうして杉皮が使われていたのである。 今では建築材料に外材や石油製品が氾濫した世の中となってしまってはいるが、40年程前まで杉の木はとても貴重な建築材料として、構造材から板材に至るまで使われていた。 そして皮は剥かれて屋根下に、小径木は足場材として使われ、無駄無く利用されていたのである。

 

そんな杉材も、今では安価で売れない!伐れない?杉の木となってしまい、「容易に搬出できない場所、或いは40年以下の若い樹齢の木などは、伐採しても山に放置されたままの状態」 また、「山そのものが放置され、手入れがされていない森林が多々ある」 それが今の日本の木材や森林の現況なのです。

 

環境保全や循環型社会を考えていく上で 「日本の林業が生業としてやっていけて、森林の再生産が可能となる木材価格にすること」 それが今の日本の課題となっているわけですが、家づくりや森林づくりに関わる私たちは、せめても日本の木を活かして住宅建築に活用することが必要と感じているわけです。

今後も、日本の現況や日本の木材の素晴らしさを発信し、ユーザーの皆さん方においても多く活用して戴けるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。

 

本日も最後までお読み下さりありがとうございました。

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kigocoro at 07:34コメント(8)トラックバック(1) 

2005年07月21日

7に入ってから毎日梅雨空が続き、まったく梅雨が明ける気配がありませんでしたが、どうにか梅雨明けを迎えましたが、未だに冷夏の予感は拭えません。

とは言っても今日から、子供たちにとっては嬉しい夏休みがいよいよ始まりました。

 

の話をするようになると「歳を取った証拠だ」などといわれますが、私が小・中学校の頃の夏休みの話になりますが、既に30年以上経った今でも思い出深い山との関わりを思い起こします。

 

『20haほどの山林を所有していた我が家ですが、当時は各地で植林の最盛期であって、我が家の山も多少の杉檜の植林地があり、刈り払い(下草刈り)の山があり、夏休みになると親父に連れられて山の刈り払い作業に出かけました。

今ではエンジン式の草刈機が普及していますが、当時は大きな草刈鎌にて作業を行い、私は親父より一回り小さな鎌を持たされ山で下草刈りをしました。

おかげで人一倍の握力と忍耐力が付いたようですが、作業をする中で蜂に刺されたり蝮に出合ったり、また草と一緒に杉の苗木まで刈ってしまったなどの思い出が、山や木との愛着に繋がるものがあります。』

 

そんな手入れをしてきた杉や檜の木も、今では成熟して柱材以上が取れるほどの大きさになっていて、間伐などの手入れが必要となっています。

 原木市場1

 しかし、間伐でそれらの木を伐って原木市場に出しても、値段がべらぼうに安く、しかも売れない状況になっているのが、日本の木材の今の状況です。

4月頃までの原木市場は丸太が山積みの状況で、半分以上が売れ残りの山となっていました。

 原木市場2

【上の写真は原木市場6月の状況ですが、これでも原木が随分減りました】

 

【下の写真は売れ残った原木の山ですが、よく見ますと白セキレイが雛を育てていて、市場の方は無理に原木を売らないでいました】

 

日本の木材の蓄積量は年々増加していますが、伐っても赤字の原木価格のため伐採量はここ数年横ばい状況と言う話です。

伐るべき木材は充分にありますので、価格が上昇すれば途端に伐り出す状況にあり、飽和状態になりますので、まだ最低でも10年は原木価格の上昇は望めません。

 

参考までに現在の杉の原木価格は約9000/前後で、ベイマツの1/213の価格です。

また、間伐材を伐採して原木市場まで持っていく概略の経費は、伐採・搬出が6,00012,000/㎥ トラック運賃が2,500/㎥前後です。

これでは伐っても赤字になるのは当然で、これまで手入れして育てた経費などは全く出ない訳です。

 

とにかく皆さんに日本の木材を、少しでも多く使って戴くことを望むしかありません。

 

今回少しネガティブな話題になりましたが、本日も応援よろしくお願いします。

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kigocoro at 08:47コメント(4)トラックバック(0) 

2005年07月01日

 梅雨空がまた戻ってきました。先週の週間天気予報では「夏空がしばらく続く」とありましたが、案の定そんなはずはありませんでした。

日本列島も大雨のところあり、水不足のところありで、ここ数年の気まぐれ天気(気象庁はあまり「異常気象」)という言葉を使いたがらないようだ)には悩まされます。

ただ、一年を通じ天気予報の予測しにくい月は「3月・6月・9月の季節の変わり目の雨季」であると、これは昔からお天気には関心のあった私の見解です。

 


さて今回の記事は、山の仕事に関することで、「一昔前の原木丸太の搬出方法」についてお届けします。

 

現在では、大型から小型まで「バックホー」などの道造り作業車が活躍する時代となり、山の中にも多くの作業道が開設され、丸太の搬出も林内作業車にて行われることが多くなりました。

 

私のところでは今、2月に伐倒し葉枯らしておいた杉丸太の搬出が始まりました。

もっと早くに搬出したかったのですが、どうしても建築の現場が優先となり、この仕事が今になってしましました。

 

そり引き2その丸太搬出の山は、軽トラックが登れる程度の作業道は入っていますが、奥の一部に傾斜が急なところがあり、キャタピラの丸太運材車でも登れないため、今回は一昔前の丸太だし=そり(木馬)引きの復活となりました。

 

(写真1・・・丸太を積む前のソリ) 

 

ソリ引き4このそり(木馬)は、山(そり)道にワイヤーロープを張り、そりの先端の「かじ棒」という丸太部分にワイヤーロープを巻きつけブレーキ代わりとして坂道を下って引いて行く方法です。

 

(写真2・・・ワイヤーとかじ棒)

 

 

ソリ引き3坂の勾配に合わせて、巻きつけるワイヤーロープを調整し、引いたりブレーキをかけたりして下ります。 

勾配の緩やかなところは「ばん木」という横木を道に敷き、ソリを滑らすようにします。

 

(写真3・・・丸太は一段ずつ積み上げていきます) 

 

この作業は雨が降ってワイヤーロープが濡れてしますと、ワイヤーと木のかじ棒のスベリがスムーズに行かないため危険となり、出来ません。

そしてまた、上り坂があるところでは引き上げなくてはいけないので、引くことが出来ないのです。

この時期のソリ引きは、空の様子を見ながら作業となり、天気がとても気になります。

 ソリ引き1

また、このソリの道造りにもコツがあり、道を上手く造らないと横転したり、カーブが曲がれないようなこともあります。 

ですから、最初の試運転の荷は軽く、道が安定してきたら除々に重荷とします。

 

(写真4・・・「試運転」上手く降りてこられました。)

 

そしてこの作業の一番の厳しいところは、このソリを担いで山を登っていくことです。

 

このソリは、樫材と杉材(樫材100%の物もあります)で造られていて、重い上に肩に食い込む痛さもあり、それを担いで急な山道を登るわけですから「なにクソ!」の気持ちがないと、とても担いでは登れません。

 

私のお尻は「ヒップアップしていて形が良い」と若い頃は言われましたが、それは中学・高校時代に親父に仕込まれた、この「ソリ担ぎ」によって養われたものと言えます。

 

体力に自身のある方は、是非一度この「ソリ担ぎ」に挑戦して下さい。

 

本日もお越し下さりありがとうございます。

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kigocoro at 15:36コメント(4)トラックバック(0) 

2005年06月28日

このところ梅雨の中休みということで、30℃を越える日が続いていますので、今日は涼しくなるよう、冬の話題をお届けします。

 

ご覧の写真はすべて、真冬の厳寒期に撮った杉の木の写真です。

 (画像をクリックしますと拡大画像がご覧になれます)

凍裂01

標高500mの内陸性気候のため、真冬の最低気温はマイナス5〜10℃前後となり、杉の木の内部は凍結しています。

 

結してこの冬に割れた凍裂木です。

 

木材としての市場価値はなくなります。

 

根元部分から高さ23m位までのところが裂けます。

 

毎冬の寒さによって発生の状況はまちまちです。

 

凍裂02

裂木の輪切りの画像です。

 

何年か前に凍裂した木材です。

 

黒芯木ですので芯材も全面凍結しています。

 

 

凍裂03

芯でない木の輪切り画像です。 

辺材は凍結していますが、芯材は含水率が低いため凍結しません。 

芯材と辺材の間の白く見える部分が「白線帯」という部分です。 

脂分が多く凍結していないのが判ります。

 

この「白線帯」が杉の木の特徴で、この部分があることにより、杉の木が乾燥し難いといわれ、また杉が人工乾燥が難しい原因でもあります。

 

こうして凍裂をおこしたした立木でも、その部分を修復しながら、これまでと同じように成長を続ける杉の木、こんなところにもちょっとした物語があります。

 

本日もお越し下さりありがとうございます。

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kigocoro at 00:42コメント(9)トラックバック(0) 
プロフィール
松島 匠建
国産の杉・桧で造る木の家
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 小住宅・ミニハウス
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当社では、お客様のニーズに合わせて、大きさ・広さ・形・間取り・設備、そして屋根・外装・内装・建具などを、好みのサイズと仕上げにて刻み加工し、施工している群馬の工務店です。

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