木と山の物語

2007年11月10日

杉(すぎ)檜(ひのき)といえば、日本の代表的な針葉樹で、建築材として広く使われている木材です。

その杉という木材一つでも、産地域によって特徴のある木材となり、良く知られている名前では 「秋田の秋田杉」 「山形の金山(かねやま)杉」 「栃木の日光杉」 「千葉の山武(さんぶ)杉」 「静岡の天竜杉」 「奈良の吉野杉」 「京都の北山杉」 「高知の魚梁瀬(やなせ)杉」 「屋久島の屋久杉」 など、多くの産地と名前があります。

それらは、気象条件・品種・植林方法などによって、その違いができるわけです。

杉・檜のその殆どは人工林なんですが、、天然林で代表的なところといえば「秋田の秋田杉」「高知の魚梁瀬(やなせ)杉」「屋久島の屋久杉」などがあります。

高知の魚梁瀬(やなせ)天然杉林秋田杉といえば、かつては天然秋田杉のみを指していましたが、最近では、人の手をかけて育てた杉を「秋田杉」、自然に育った杉を「天然秋田杉」と呼んで区別しています。
屋久島の屋久杉はみなさんご存知のはずで、縄文時代からの「縄文杉」まで存在しています。
高知の魚梁瀬(やなせ)杉は、私もその天然林を実際に見てきたこともありますが、高級無垢の天井板にも使われているほどの、屋久杉同様桁違いの優れものです。

このように天然杉林は、極一部の地域に限られているわけですが、林としてではなく点在的な植生としての天然杉は、各地にて稀でもありません。
杉の木の寿命に関しては200年とも500年ともいわれていますが、もともとその地に適して育った天然木の方が悠に長生きなわけで、管理された木のほうが短命なわけです。

大別すると「天然(杉)林」か「人工(杉)林」か、ということに分けられてしまうものですが、人工(杉)林においても、その差は様々です。
産地の気象条件は勿論ですが、「杉の苗木の種類」「苗木が挿し木苗か実生苗か」「植林方法が密植か疎植か」「植林後の手入れ方法」などの差により、産地特有の杉材ができ、木の寿命も一概ではないはずです。

一般に杉の適所とは、(関東近辺において)雨が多くて標高500〜700mの地域が良いとされ、丁度私たちの地域が「杉の適所」であり、良質の杉材の産地のようです。



kigocoro at 10:29コメント(1)トラックバック(0) 

2007年03月07日

昨年の11月末〜12月初に伐倒して、枝葉を付けたまま「葉枯らし乾燥」してた50年生の杉。

先日から玉伐り作業に入り、搬出し製材を行っています。

 葉枯らし搬出

この「葉枯らし乾燥」をしている山は北向きの山で日があたらず、例年なら今頃まで雪があってトラックが入っていけないのですが、今年の異常な暖冬のお陰で作業も順調に進んでいます。

「葉枯らし乾燥」も同じく北向きの山では、12月は木が凍結し乾燥が進まないのですが、今年は結構水分が抜けて乾燥が進んでいます。

 

3ヶ月間の葉枯らし乾燥」と、よく言いますが、山の向き 倒す方向 時期 その他 の条件によって、乾燥の度合いはまちまちなのです。

 

葉枯らし製材 日当たりの良い向きの方が良く乾きます。

山の傾斜に沿って、葉先が上向きの方が良く乾きます。

35月が一番乾く時期で、次に1012月、日当たりが良ければ12月も良く乾きます。

間伐ですと残っている木があって日当たりが悪く乾き難いのですが、皆伐は日当たりが良くなりますので、乾き易いのです。

 

葉枯らし乾燥を施した杉の木は、赤身(芯材)がきれいなピンク色に仕上がります。

製材した材は、桟積みして天然乾燥します。



kigocoro at 22:25コメント(2)トラックバック(0) 

2006年01月14日

「秋の彼岸から春の彼岸まで」の木が水をあげていない時期は、一般に木材の伐期とされています。

しかし最近では、新月の木満月の木と比べて、「カビが生えにくい、虫が付きにくい、割れにくい等」ともいわれ、新月伐採を行う産地も増えてきています。

また、この新月伐採の他に日本では一部、昔からの慣わしとして「大犯土(おおつち)小犯土(こつち)土用 は木を伐ってはいけない」ともいわれています。

これは「樹木も生物である以上、人間と同じようにバイオリズムがあると考え、活発に活動する時期と、活動が沈静化する時期とが交互に訪れます。抵抗力が落ちる時期に伐採すると、虫が入りやすくなり、また除伐材を山に放置する場合は腐り易くなる。」ということらしいです。

 

月の周期は約29.53日 大犯土・小犯土の周期は60日ですので、この両者は必ずしも一致するものではありません。 例えば今日114日は満月で、月の関係からすれば木を伐ってはいけない日ですが、「つち」的には16日まで木を伐れる日とされています。

特に私どものこだわりというわけではなく、またどちらが正しい説かということは定かではありません。しかし、私どもが木を伐採する場合に「伐ってはいけない日」は、なるべく避けるようにしています。

参考までに「大犯土(おおつち)・小犯土(こつち)・土用」についての用語解説を、高島易断所本部編纂「神宮館九星本暦」より引用します。

続きを読む

kigocoro at 07:31コメント(2)トラックバック(0) 

2005年12月01日

  「杉は谷、檜は腹で松は尾根(峰)」

 

これは杉・檜・松と、それぞれの樹種の植林適地を指したものです。

三種類の樹種にとって、必ずしもその場所が適地とは限りません。

しかし山にはどんな山にも谷筋があり、中腹があり、尾根筋があるので、この言葉はむしろそれぞれの場所に対して適した樹種といった「谷は杉、腹は檜で尾根は松」の方が正解といえるでしょう。

 

杉は確かに谷筋の肥沃で湿潤な場所が適地で、中腹から上の乾燥する場所では極端に生育が衰え、年輪の数が分からない位の育ち遅れになります。

そして檜は中腹、松(赤松)は尾根筋が適地かと言えば、そうとも言えず、杉の育たない中腹から上でも檜や赤松は育つといった程度であり、檜も赤松も極端な湿地は別として、杉の適地でもある土壌の深い肥沃な場所は、成長がより早いのです。

 

このことは、「杉は限られた谷筋の場所しか好まない立地の適応性が狭いが、檜や赤松は広い」ということのようです。

また、そんな立地の適応性の狭い杉は、肥沃な日本の山でしか育たない日本特有の木材とも言えるのでしょう。

 

“杉(スギ)”の由来は、すくすくと生長する木の意味の「すぎの木」 とも、「すぎ(直)な木」の意味 ともいわれていたのです。

 

▼ 育ち遅れた杉は「年輪が密なので価値があるのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、植地を間違えた杉はとにかく横にも縦にも育たず、50年経っても柱木一本取れないものなのである。 

【そんな山も実際に見て戴くと結構面白いもので、ご希望があれば我が家所有の山ではありませんが、「育ち遅れの杉の木」がある近くの山をご案内致します。 一緒に鹿・熊による立木の皮剥き被害も見られますよ。】


■ “地産地消、そして無垢の木材と天然素材の家づくり”の松島匠建発行

情報誌「きごころ通信」「小冊子」等をご希望の方は、→ こちら からどうぞ!

 皆さんの一押しが励みになります。 → 人気ブログランキング ありがとうございました!”

「地産地消の木の家づくり」 トップへ▲



kigocoro at 01:22コメント(2)トラックバック(0) 

2005年10月04日

今年も早くも10月を向かえ、そろそろ木の伐採の時期になってきました。

 

面積の94%を森林が占めている私どもの地域は、標高500m前後で杉の生育に適し、良質な木材が生産されてます。 私のところでも先祖から受け継いだ20ha程の山林を所有し、毎年山の手入れを含めて、住宅消費用の木材を伐採しストックしています。

その山林も一箇所にまとまっているわけではなく、ある程度の面積で数箇所に点在してある。 そこで3年も覘かないでいる山に行くと、驚く状況となっている場合があるのです。

 

それは木の幹の樹皮を鹿や熊に剥かれ、あるところでは3割も4割も被害にあっているところでさえある。 そして育ちの良い木ほどその被害に遭うものである。

一周り剥かれたものは枯れてしまい、一部でも樹皮が残っているものは枯れずにいるのだが、腐れ部分が上まで浸透してしまい、基の良い部分が使い物にならない状態となる。

 

鹿食害

 

写真は、鹿や熊により樹皮を剥かれ、枯れて茶色くなった木ですが、この枯れた木の廻りの木も、相当な被害に遭っているはずです。

 

 

まさに林業家にとっては、木材価格の低迷に加えて「弱り目に祟り目」状況といえます。

 

鹿食害防網

 

鹿や熊に樹皮を剥かれる被害を防ぐために施された防護網ですが、取り付ける手間の他に材料代が一本当り500円ほどかかっています。

 

 

新しく植林した苗木においても、鹿が新芽を食べて、木の成長を妨げてしまう。 そんな新植地では周囲を防護柵で囲み、鹿の侵入を防いでいる。

 

鹿食害防護柵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狩猟者の減少や規制などにより鹿の天敵が少なくなり、近年鹿が増えすぎているのは事実であるが、自然との共存共栄には、まだまだ課題が多いようである。

最後までお読み下さりありがとうございました。

人気ブログランキングに投票 

 

「地産地消の木の家づくり トップへ▲



kigocoro at 01:53コメント(2)トラックバック(0) 
プロフィール
松島 匠建
国産の杉・桧で造る木の家
 3坪からの注文住宅
 小住宅・ミニハウス
 ウッドデッキなど

当社では、お客様のニーズに合わせて、大きさ・広さ・形・間取り・設備、そして屋根・外装・内装・建具などを、好みのサイズと仕上げにて刻み加工し、施工している群馬の工務店です。

本社・加工所
〒376-0301
群馬県みどり市東町沢入986
 TEL.0277-95-6558
 FAX.0277-95-6920
群馬県知事許可(般-17)第21093号

 http://www.kigocoro.jp/
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ