2005年07月28日 00:10
家づくりと耐震性について
先週の土曜日に首都圏で震度5強の地震がありましたが、震源地に近いところでは大きな揺れを感じ、電車などの交通も一時マヒ状態になったようです。 その時私は、昨年の秋に更に大きな震災に見舞われた中越地方にたまたま出かけており、地震の揺れは感じませんでした。 ご当地
この新潟中越地震やその後の起こった福岡西方沖地震では、地震には比較的安全といわれたところでの大きな地震であり、今や日本各地の至る所において「地震に安全な地域」はなくなり、それと同時に住宅の「耐震マーケット」が拡大しています。 そして、それに乗じて「耐震補強工事などと銘打った悪徳業者」が横行していますので、くれぐれも気を付けて下さい。
また、この「耐震マーケット」と共に「免震住宅・超耐震住宅」などの宣伝文句も目に付くようになっておりますが、住宅を建てる場合の地震に対する優先的な順位を、ここで改めて確認します。
● 住宅の耐震性としてまず第一に大切なことは、建物本体よりも地盤の状況確認が必要です。
地下にしっかりとした地盤がない軟弱地盤な土地や盛土・埋土などの造成地は、大きな地震を受けると液状化現象や地盤の陥没などが起こり、建物本体がいくら頑丈に出来ていても倒壊の危険があります。
やむを得ずそんな土地に建てなければならない場合は、基礎工事の際に「杭基礎やベタ基礎に地中梁」などが適宜必要です。
● 次に大切なことは、土台回りの構造材が耐久性・防蟻性に優れていることです。
新築の際に耐震構造的に充分な施工を施しても、それらの部材が腐食や蟻害によって耐力を失ってしまっては、地震の揺れに対して抵抗出来ずに倒壊してしまう危険が多いにあります。
最近の家は柱にホワイトウッドを多く使用していますが、この材は日本においての実績は浅く、耐久性と防蟻性には著しく劣るといった報告が聞かされています。
● そして構造的に全体のバランスが整っていることです。
連続した大きな開口部や耐力壁の少ない壁面などがありますと、地震力に抵抗できない壁面に地震力が集中し、その壁面から崩れ落ちる危険性が大きいです。
また、壁だけではなく1・2階の床や屋根なども変形に耐えるバランスの必要性。構造材の太さ、重量バランスなどと、部分的に欠点がなく全体的に均衡がとれた構造体であることが大切です。
超耐震などと頑丈に造ってあることに不足はないが、上記の点に落ち度がなく、新耐震基準(S54年以降)に適合している住宅であれば、阪神大震災並みの地震において住宅の大きな被害に及ばないものといえます。
地震による住宅の損傷の他にあとは、地震から損害を受けないために行うべきことは、家具の固定なども大切なことの一つです。
地震が頻繁に発生しますと「耐震性」などが特に気になるものですが、それぞれが「家づくり」における優先順位によって、どの部分に予算と想いを注ぎ込むかが決まるものですので、住宅営業の宣伝文句に惑わされないように確かな家づくりを進めて下さい。
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コメント一覧
この記事を読んでいたらグラグラッときました。予知か?
冗談はともかく勉強になる記事でした。
巨大地震には非緊結、鳥小屋的構造の伝統構法が有効だそうで、いずれは今の住宅にも取り入れられていくのでしょうね。
在来工法の地震耐力は「筋交い」に頼りますが、伝統構法は、通し貫を初め構造材とその剛による仕口から大小すべての壁と、多くの部分で地震に柔軟に耐力します。
一時期、建築法規の改正により伝統構法の家づくりが難しくなりましたが、「伝統構法を見直そう」と、多くの方たちの努力により、復活の兆しが見えてきました。
気合の入った記事で松さんの心意気が伝わってきますよ。流されないで信じたことを貫く事は本当に大事ですね。有難うございました。私にも情報誌できたら送ってくださいね。
こうして切磋琢磨してゆく仲間がいて、とても嬉しく想い感謝しています。
いつもありがとうございます。